演じることへの情熱を感じた来日記者会見

(2007/1/18 東京渋谷にて)


 確かな演技力、笑顔、そして心の奥底まで射抜くような視線が魅力のイ・ビョンホンが、
『夏物語』(1/27よりシネマート新宿ほかにて公開)のPRで、チョ・グンシク監督、共演
のスエとともに来日。1月18日に記者会見が行われました。

 出演作のPRでの来日は実に1年9ヶ月ぶり。

イ・ビョンホンは「久しぶりの出演作というだけに、みなさんがどんな反応をしてくれるの
か、一方では緊張していますし、また一方では期待もしています。」と挨拶して会見が始ま
りました。
 100本以上あった出演オファーのなかから、「自分の感情を動かしたから」と本作を選ん
だイ・ビョンホン。はじめて台本を読んだとき、頭のなかにスエの姿が浮かんだそうで、実
際に共演した感想を聞くと「本当に適役だったと思う。本人とキャラがよく似ていて、いい
演技をみせていた」と初共演のパートナーを褒めていました。

【笑顔が絶えない監督と主演の二人】
 初恋を大切にし、独身を貫いてきた初老の大学教授が、その初恋相手を探してもらうという
エピソードから始まる本作。イ・ビョンホンは、青春まっさかりの大学生(60年代)と、60
歳の男(現在)を演じています。

 実際の年齢とかけ離れていたことについて苦労などを聞くと
「20代は経験しているので、心の中が情熱で満ちていたあのころを思い出しながら演じていま
した。60代はあくまでも想像しながらの演技になります。その年代の人がどういう感情を持つ
かということを考えながら演技をしました。というのも、リアクションは年代によって違うと
思ったからです。60歳ぐらいになれば、酸いも甘いも知っている世代でしょうから、同じ刺激
をうけても若い頃には想像もしなかったような反応をするのではないか、 普通なら驚くべきと
ころを笑って 流してしまうような余裕があるのではないか、となどと考えながら演技をしまし
た」とビョンホン。
  また、舞台となった60年代については、現在ではなかなか理解できないイデオロギーの問題
があった時代だったことをふまえつつ、「人間というのは、多少状況は変わっても基本的な感
情はかわらないのではないでしょうか。 ただ、当時は"純情"というのが残っていたと思います。
いまの時代がクールであることが美徳とするなら、当時は純情だったのではないかと。そのへん
の違いを考えながら演技をしました」とコメント。

 ひとつ質問を投げかけると、どどどっと熱く語るイ・ビョンホン。『夏物語』に対する愛情、
そして演じることに対する情熱を感じずにはいられませんでした。
初恋の美しさ、悲しさを存分に描いた映画『夏物語』。俳優イ・ビョンホンの新たな一面が見ら
れるのではないでしょうか。
【ひげがワイルド? 貫禄あふれるイ・ビョンホン】
(All Text & Photo by (C) K&K 2007)

(update 2007/1/22)

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