『はなしかわって』『アンビリーバブル・トゥルース』
『シンプルメン』『愛・アマチュア』
ハル・ハートリー監督4作品ロードショウ中!
6/1ポレポレ東中野でのトークショウ盛況の内に終了いたしました。
向かって左より応援で駆けつけて頂いた狗飼恭子さん、中央・ゲストの大森美香さん、
向かって右・ゲストのわたなべりんたろうさん
お詫び;一部のチラシ、ポスター、パンフレットなどの表記に『アンビリーバブル・トゥルース』の時間が97分とありますが、90分の誤りでした。お詫びして訂正いたします。 |
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ニューヨーク・インデペンデント映画の最も上質な才能、ハル・ハートリー監督の
未公開作を含む4作品が公開されることが決まりました。
ハル・ハートリーは1988年に 長編第一作『THE UNBELIEVABLE TRUTH』
( 日本でのビデオ発売邦題は『ニューヨーク・ラブストーリー』)で評価を得、その後
様々な映画祭などで注目されはじめ、日本でも90年代を中心に大きな人気を呼んだ
映画作家です。特にホームグラウンドであるNYを背景にした
男女のナイーブな恋愛描写は、シンプルで辛口な映像と相まって
一種独特の世界を形成しています。
しかしその実、映画の根底に流れるお互いをいたわる優しさ、日常生活の中に
現れる、希望といった普遍的なテーマは、今日を生きる私たちに
新鮮な空気を与えてくれることと思います。
まさに新たに発見されるべき監督、ハル・ハートリー。
ファンの皆さんも、新たに彼の名を知った方も、
この機会にスクリーンでハルの魅力に出会ってみては如何でしょうか。
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『はなしかわって』【Meanwhile】
(日本初公開)
ポッシブルフィルムズによるオフィシャル予告編 |
■2011年/59min/D.J.メンデル、ダニエル・マイヤー、二階堂美穂
マンハッタンで人助けに奔走する不思議な主人公の人間関係をスタイリッシュに描く新作。NYの情景、そこに暮らす人々の描写、音楽、豊かで美しい傑作。
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『アンビリーバブル・トゥルース』【The Unbelievable Truth】
(劇場初公開)
アンビリーバブル・トゥルース/JVDオリジナル予告編
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■1989年/90min/エイドリアン・シェリー、ロバート・バーク
謎めいた孤独な男と17歳の美しい少女の恋をオフビートに描く長編デビュー作。日本では91年に『ニューヨークラブストーリー』のタイトルでビデオでのみ紹介された。 |
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『シンプルメン』【Simple Men】
シンプルメン/JVDオリジナル予告編
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■1992年/106min/ロバート・バーク、ビル・セイジ、エリナ・レーヴェンソン
直情的な言葉と行動。男女4人の恋愛の攻防をクール&コミカルに描くロード・ムーヴィーの秀作。ソニック・ユースの音楽でダンスするシーンも楽しい。
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『愛・アマチュア』【Amateur】
愛・アマチュア/JVDオリジナル予告編 |
■1994/106min/イザベル・ユペール、マーティン・ドノヴァン、エリナ・レーヴェンソン
尼僧からポルノ小説家に転身した女と記憶喪失の男とのふれ合いを描く大ヒット作。1994年カンヌ映画祭監督週間招待作。世界的に絶賛されたハルらしい逸品。 |
【ハル・ハートリー/プロフィール】
1959年、ニューヨーク州ロングアイランド、リンデンハースト生まれ。美術、絵画に興味を持ってマサチューセッツ美術大学に入学するが、8mmによる映画作りに触れ、映画製作を志すようになる。1980年、NYに戻りニューヨーク州立大学パーチェス校で映画を専攻しつつ文学や哲学を学んだ。この頃、数々の短編を監督したり、スタッフや俳優などの友人を得た事がその後の作品作りに大きな影響を与える。1988年、初の長編『アンビリーバブル・トゥルース』を製作。この作品は、前述の大学時代の仲間と2週間ほどの期間、75,000ドルという低予算で地元の町で撮影された。作品は高評価を得、サンダンス映画祭の審査員大賞にノミネート。さらに長編2作目の『トラスト・ミー(1990)』は各地の映画祭で絶賛、長編3作目の『シンプルメン』はカンヌ映画祭に正式招待上映され、その評価は確固たるものになった。その後も順調に『愛・アマチュア』をヒットさせ、東京ロケも話題になった『フラート(1995)』などの作品を製作した。そのスタイルは一貫して映画作家としての自主性、芸術性を重んじるインディペンデント・プロダクトであり、90年代に人気を博した”アートシアター系”として日本でも多くの観客の支持を得るものとなった。2001年、ハルの才能を認めていたF.コッポラは自らのプロダクションでハリウッド的な大作を企画。製作ゾエトロープ社、配給ユナイテッド・アーチスツという大規模な予算の映画『No Such Thing』はアイスランドで有名俳優を得て完成したが、編集権を巡るトラブルなどで不本意な結果となった。『No Such Thing』の商業的失敗のあと、原点に立ち返り、自らが代表を務めるポッシブル・フィルムを設立、ホームグラウンドであるNYを舞台に『はなしかわって』など、旺盛な製作活動を続けている。 |
Director Hal Hartley photo(C) Possible Films
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映画公開・劇場情報 Blu-ray上映/2014年(タイムテーブルなどは各劇場HPでご確認下さい)
劇場用 特集上映予告編
はなしかわって/MEANWHILE ポスター販売中(劇場などにて)
デザインを見る
出演者たち (イザベル・ユピエール以外は”ハル作品の常連”と言われる俳優たちが多く出演する。) |
D.J.メンデル
『はなしかわって』
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ハル・ハートリーとの出会いは『ブック・オブ・ライフ』(1998)の出演から始まり、その後、『No Sutc Thing 』(2001)『Fay Grim』(2006)と続いており、やはりハル作品の常連の1人と言える。日本ではあまり馴染みのない俳優だが、アメリカでの評価は高く、主にオフ・ブロードウェイの舞台俳優として意欲的な活動をしている。特に伝説的舞台芸術家、リチャード・フォアマンによる舞台などで注目された。また監督や脚本、ミュージック・ビデオ(ジョニー・キャッシュの娘、ロザンヌ・キャッシュなど)の演出や編集までこなす才人として知られる。今回公開される『はなしかわって』の何でも器用にこなすジョセフのキャラクターはD.J.メンデルその人にぴったりかも知れない。 |
ロバート・パーク
『アンビリーバブル・トゥルース』
『シンプルメン』 |
ニューヨーク出身のロバート・バーグはニューヨーク州立大学時代にハルと知り合い、すでに短編作品に協力しあっている仲間であった。お互い長編映画の”初主演・初監督”となった本作では、低予算、超短期間での制作体制下でも息の合ったところを見せ、作品の成功に導いた。その後もハンサムで男性的ながらも知的な役柄に恵まれキャリアを伸ばし『ロボコップ3』などの大作でも主役を得るようになる。テレビドラマでも『ロー&オーダー』など多数の作品に出演している。アイルランド系アメリカ人である彼は、ニューヨークの消防士の資格があるため、9.11の際には捜索活動に従事したという。 |
エリナ・レーヴェンソン
『シンプルメン』『愛・アマチュア』 |
ルーマニア・ブカレストで1966年に生まれ。14歳のとき、母親と米国に移住をした。25歳の時ニューヨークでハルと出会い、短編『セオリー・オブ・アチーブメント』に出演。それ以来ハル作品を象徴する女優となった。エキゾチックで可愛らしい顔立ちが印象的な彼女は『シンドラーのリスト』『バスキア』に出演後、ジュード・ロウ主演の『クロコダイルの涙』(1998/日本公開2000)でのヒロインで注目された。現在もフランス映画や舞台などで活躍している。 |
エイドリアン・シェリー
『アンビリーバブル・トゥルース』 |
1966年、クィーンズで生まれる。『アンビリーバブル・トゥルース』のあと、『トラスト・ミー』(1990)の主役となる。両作とも役柄的には奔放なハイティーン役ではあるが、演技力もさることながら舞台の戯曲を提供したり演技学校やニューヨーク大学での講義を受け持つなど知的な面も知られている。出演作には『デブラ・ウィンガーを探して』、監督・脚本も務めた『ウェイトレス〜おいしい人生のつくりかた』がある。2006年、NYの自宅で殺人事件に巻き込まれ、惜しくも他界した。 |
マーティン・ドノバン
『シンプルメン』『愛・アマチュア』
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マーティン・ドノヴァン、1957年生まれ。今回公開の2作の他、『トラスト・ミー』『フラート』(1995)『ブック・オブ・ライフ』にも出演する彼こそ、ハル作品の常連中の常連俳優だろう。二枚目ながらも個性的な役柄が高い評価を得ており、『ある貴婦人の肖像』(1996)でのニコール・キッドマンとの共演や『イムソムニア』(2002年米国版)でのアル・パチーノの共演などが印象的だ。テレビシリーズでも『デッドゾーン』『CSI:科学捜査官』など多数出演している。最新映画作は『サイレントヒル・リベレーション3D』(2013)。 |
イザベル・ユペール
『愛・アマチュア』 |
1953年パリ生まれ。フランス映画界を代表する国際女優である彼女は、パリの国立演劇学校(コンセル・ヴァトワール)を卒業後、1971年からキャリアをスタートさせる。78年のクロード・シャブロル監督『ヴァイオレット・ノジエール』(日本未公開)でカンヌ国際映画祭・女優賞を受賞。早くもその地位を確固たるものにした。続いて『ピアニスト』(2001)でも同賞受賞、世界各地の映画賞、フランス・セザール賞13回ノミネート(95年に最優秀賞)、ハリウッドでも超大作『天国の門』(1980)出演など、その名声については枚挙にいとまがない。イザベル・ユペールは『トラスト・ミー』を観て、ハルとの仕事を希望した。文学的で重厚な演技が真骨頂と言われているが、本作のような軽妙洒脱な演技も軽々とこなす才能は流石と言える。 |
クリス・コーク
マイク・チャンドラー
『アンビリーバブル・トゥルース』
『シンプルメン』 |
脇役ながら重要な役柄が整備工場やガソリンスタンドの親父役のクリス・コーク。両方に同じ役名ヴィク(ヴィクター)で出ている。マイク・チャンドラーもその従業員で同じようなキャラクターで出演しているのが面白い。小さな商店主やマネージャー、ダイナーの店員などアメリカ映画には必ず必要な脇役を長く務めている。 |
4回券の劇場鑑賞券(4,000円/税込み)にはポストカードが付きます。
(無くなり次第終了=詳しくは各劇場窓口へ)
【吉祥寺バウスシアター】
2月15日土曜
藤原帰一さん(国際政治学・東京大学院教授)とわたなべりんたろうさん(監督・ライター)の
吉祥寺バウスシアター初日トークイベント
好評のうち終了いたしました。ご来場の皆様有り難うございました。
(藤原帰一 さん わたなべりんたろう さん)
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